資金調達の基本:初めての起業でも知っておくべきポイント

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はい、どうも。経済ジャーナリストの鈴木めぐみです。

今回は、初めて起業する人にとって避けて通れない「資金調達」について解説していきたいと思います。

私も経済部の記者として、数多くのベンチャー企業の取材をしてきましたが、起業家たちの多くが資金調達に頭を悩ませている印象を持ちました。「うまくいかなければ借金を背負ってしまうのではないか」「どの調達方法が自分に合っているのか分からない」など、不安を抱えている人が少なくありません。

でも、安心してください。資金調達には様々な方法があり、自分のビジネスに合ったものを選べば、そこまで怖がる必要はないんです。

今回は、私が取材を通じて学んだ資金調達の基本的なポイントを、分かりやすく解説していきます。起業を目指す人はもちろん、経済に興味がある人にもぜひ読んでもらいたい内容になっています。

自己資金と身内からの借入

起業における自己資金の重要性

起業する際、まず検討すべきは自己資金の活用です。自分の貯金を切り崩して事業に投資するわけですから、リスクは当然伴います。でも、自己資金を使うことで、外部からの借入に頼る必要がなくなるんです。

自己資金が潤沢にある起業家は少ないかもしれません。でも、できる範囲で自分の資金を投入することが、投資家からの信頼を得るためにも重要なんですよね。『黒字で得た資金は次のステージのために使う。赤字はファウンダー自身が補填する。これが大原則です』って、ベンチャーキャピタリストの友人も言ってましたし。

家族や友人からの借入のメリットとデメリット

自己資金が足りない場合、次に検討するのが家族や友人からの借入です。身内からお金を借りるのは抵抗があるかもしれませんが、メリットもあるんですよ。

まず、審査が不要で手続きが簡単なこと。それに、金利も低く設定してもらえる場合が多いんです。『借りるなら、まず身内から』っていうのは、起業家の間でも定説になっています。

ただし、デメリットもあります。返済が滞ると、家族や友人との関係が悪化する恐れがあるんですよね。『事業は順調?』って聞かれるたびに気が重くなる…なんて起業家も少なくないそうです。

借入額が大きくなりすぎないよう、くれぐれも注意が必要ですね。

自己資金と借入の適切なバランスとは

結局のところ、自己資金と身内からの借入は、バランスが大切だと思います。

『自己資金は全体の3割、身内からの借入は2割程度に抑えるのが理想』だと、ある経営コンサルタントから聞いたことがあります。自己資金を含めた『内部資金』を5割に収め、残りの5割は外部からの調達を検討する…というのが一つの目安になるようです。

とはいえ、これはあくまで理想論。資金調達の適切なバランスは、事業の特性によっても変わってきます。大切なのは、自社の状況をよく見極めて、無理のない範囲で資金を確保することだと私は考えています。

エンジェル投資家とベンチャーキャピタル

エンジェル投資家の特徴と魅力

外部資金の調達先として、まず検討したいのがエンジェル投資家です。

エンジェル投資家とは、高い関心と知見を持って、ベンチャー企業に投資を行う個人投資家のこと。大半が事業経験者で、起業家に事業アドバイスをしてくれるのが特徴です。

彼らが投資先を選ぶ基準は、”その企業に将来性があるか”。ビジネスモデルよりも、経営者の資質や熱意を重視する傾向にあります。『起業家との間に信頼関係が築けるかどうか。それがエンジェルにとって何より大切なんだ』と、とあるエンジェル投資家も語っていました。

起業家にとってのメリットは、資金面でのサポートに加え、先輩起業家としてのアドバイスがもらえることですね。

ベンチャーキャピタルの役割と投資基準

事業規模が大きくなってくると、より多額の資金が必要になります。そこで頼りになるのがベンチャーキャピタル(VC)です。

VCは、有望なベンチャー企業に投資し、その成長をサポートする会社のこと。プロの目利きが集まっているので、『VCから出資を受けた』というだけで、企業の信頼度は大きく上がります。

とはいえ、VCの投資基準は厳しいのが特徴。エンジェルと比べると、ビジネスモデルの精査にも重点が置かれます。『市場規模が十分か』『競合との差別化はできているか』など、事業の実現可能性が問われるんですね。

VCの出資を受けるためには、綿密なビジネスプランの作成が不可欠。専門的な知識も必要になるので、起業家は勉強しなければなりません。

エンジェル投資家とベンチャーキャピタルの違い

エンジェル投資家とVCの違いを、表にまとめてみました。

項目 エンジェル投資家 ベンチャーキャピタル
投資主体 個人 会社(機関投資家)
投資判断 経営者の資質重視 ビジネスモデル重視
投資規模 小〜中規模 中〜大規模
関与度合 高い(経営助言) 比較的低い

両者の特性を理解した上で、自社に合った投資家を選ぶことが大切ですね。

クラウドファンディングの活用

クラウドファンディングとは何か

近年、資金調達の新しい選択肢として注目されているのが、クラウドファンディングです。

クラウドファンディングとは、インターネット上で不特定多数の人から資金を募るシステムのこと。プロジェクトを立ち上げ、共感した人から少額の投資を集めるんですね。

2010年代に入って世界的に普及が進み、日本でも年々利用者が増えています。経済産業省の調査によれば、2021年の国内市場規模は前年比30%増の2,749億円。コロナ禍でも成長を続ける有望な資金調達手段と言えるでしょう。

クラウドファンディングのメリットとデメリット

クラウドファンディングの最大のメリットは、敷居の低さです。

エンジェルやVCへのアプローチには、幅広い人脈と交渉力が求められます。一方、クラウドファンディングはインターネットさえあれば誰でも始められる。アイデアを公開し、共感を得られればOKなんですね。

また、調達のプロセスが『支援者との対話』になるのも魅力です。『この機能が欲しい』『こんな風に改善すべき』など、ユーザー視点の意見が集まりやすいんですよ。プロジェクトを進化させるためのヒントが得られるわけです。

ただし、デメリットもあります。投資家向けのリターンを用意する必要があるため、『調達額の20〜30%はリターン費用に消える』なんて話もよく聞きます。クラウドファンディング特有のコストと言えますね。

成功するクラウドファンディングのポイント

では、クラウドファンディングを成功させるためのポイントは何でしょうか。

私が取材を通じて感じたのは、以下の3点です。

  1. プロジェクトの魅力を十分に伝えること
  2. 支援者とのコミュニケーションを大切にすること
  3. リターンの設定を工夫すること

1つ目は、言わずもがなですね。『このプロジェクトは社会にどんな価値を生み出すのか』『なぜ支援が必要なのか』。そのストーリーを動画や文章で分かりやすく伝えることが大切です。

2つ目は、支援者との対話を重視するということ。プロジェクトページ上で逐一進捗を報告したり、支援者からの質問に丁寧に答えたり。『対話を通じて信頼関係を築くこと』が、クラウドファンディング成功のカギを握るんだそうです。

3つ目は、リターンの設定。『プロジェクトグッズ』など定番のものに加え、体験型のリターンを用意するのが近年のトレンドだとか。支援者の満足度を高める工夫が求められます。

光本勇介さんなんかは、クラウドファンディングを実験的なマーケティングの場として活用しているそうです。ユーザーの反応を探りながら、サービス開発につなげている…。資金調達だけでなく、様々な使い方ができるのがこの手法の面白いところですよね。(光本勇介のプロフィール/実績より)

銀行融資と公的助成金

銀行融資を受けるための条件

さて、ここからは伝統的な資金調達の方法についても触れておきましょう。

まずは銀行融資。日本の起業家の多くが利用する資金調達手段の一つです。

とはいえ、融資を受けるためのハードルは低くありません。『担保』『保証人』『事業計画の妥当性』など、審査に通るためにはいくつもの条件をクリアしなくてはならないんですよね。

特に担保は重要です。不動産や有価証券など、『返済できなくなった時に処分できる資産』の提供を求められるのが一般的。担保なしでの融資は、よほど信用力の高い企業でないと難しいと言われています。

創業間もないベンチャー企業にとっては、かなりのプレッシャーになることは間違いありませんね。

公的助成金の種類と申請方法

資金繰りに悩む起業家にとって心強いのが、公的機関による助成金の存在です。

代表的なものが、国や自治体による創業支援制度。例えば、東京都では『女性・若者・シニア創業サポート事業』という制度があり、対象者には最大200万円の助成金が支給されます。

他にも、『中小企業庁』や『日本政策金融公庫』など、様々な機関がベンチャー企業向けの助成制度を用意しています。

助成金の申請方法は、それぞれの制度によって異なります。基本的には、所定の申請書に事業計画書などの必要書類を添えて、締切日までに提出する流れになります。

ただし、申請の準備はかなり大変。事業計画書の作成だけでも、相当な時間と労力を要するんですよね。『採択されるかどうか分からないのに、本業が疎かになってしまう』というジレンマを感じる起業家も多いようです。

助成金頼みは危険だと思いますが、上手に活用すれば心強い味方になるはず。制度の内容をしっかり吟味した上で、必要に応じて利用を検討するのが賢明だと私は考えています。

銀行融資と公的助成金の上手な活用法

結局のところ、銀行融資と公的助成金の活用は、ケースバイケースだと言えます。

例えば、シード期のベンチャー企業であれば、創業支援制度の利用が有効かもしれません。一方、事業の成長が軌道に乗り始めたら、銀行融資で大型の資金調達を狙う…といった具合です。

大切なのは、自社の事業ステージをよく見極めること。『今』必要な資金量はどの程度で、どの調達方法が最適なのか。起業家には、冷静な判断力が求められます。

銀行との付き合い方についても触れておきます。シリコンバレーの起業家に『ビジネスは信用が全て』と教わったことがあります。融資だけでなく、日頃から銀行とのリレーションを大切にすることで、いざという時に助けてもらえる…。長い目で見た銀行対策は欠かせませんね。

資金調達の際の注意点

資金調達に際してのビジネスプランの重要性

資金調達を行う上で、投資家に提示するビジネスプランの重要性は言うまでもありません。

『事業の将来性』『資金の使途』『リスクヘッジ策』など、投資家の知りたい情報をしっかりとまとめておく必要があります。特にVCなどのプロの投資家は、ビジネスプランの完成度を重視する傾向にあります。

例えば、事業の将来性を示す際には、市場規模や成長率のデータを盛り込むことが大切。『この市場はこれくらいの速度で成長しており、当社はこれくらいのシェアを獲得できる』といった具合に、できる限り具体的な数字を用いるんですね。

ビジネスプランは、起業家の『覚悟』を示す場でもあります。事業にどれだけ本気で取り組むつもりなのか。その熱意がにじみ出るようなプランを作ることが求められます。

『ビジネスプランは起業家の命』と言っても過言ではないでしょう。投資家の心を動かすためにも、入念な準備が欠かせません。

投資家とのコミュニケーションのコツ

資金調達で忘れてはならないのが、投資家とのコミュニケーションです。

エンジェルもVCも、投資先の経営陣とのやり取りを非常に重視します。事業への理解度や経営手腕を判断するためにも、対面でのコミュニケーションが欠かせないんですね。

私がお話を聞いた起業家の方は、『投資家との信頼関係づくりには、正直さが何より大切』と口を揃えて言います。事業の見通しについてありのままを伝え、リスクについてもオープンに話す。それが信頼を生むんだとか。

また、投資家からの質問にはできる限り具体的に答えることも重要だそうです。『その数字の根拠は何か』『顧客ニーズをどう捉えているのか』など、突っ込んだ質問にも真摯に向き合う姿勢が求められます。

投資家との良好な関係は、資金調達の成否を左右すると言っても過言ではありません。普段のコミュニケーションを疎かにせず、信頼関係の構築に努めたいものですね。

調達した資金の適切な管理と運用

最後に、資金調達で得たお金の管理と運用についても触れておきます。

せっかく調達した資金を無計画に使ってしまっては、本末転倒です。事業の優先順位を見極め、メリハリのある資金配分を心がけることが大切ですね。

『調達資金の使途は事前に明確にしておく』のがベストプラクティスだと、ある経営コンサルタントの方は言います。資金計画が曖昧だと、ついつい場当たり的な判断に陥ってしまう。計画的な運用を徹底するためにも、資金の使途は細かく設定しておくことが重要なんだそうです。

また、『想定外の支出』にも備えておく必要があります。事業には常にリスクがつきものですから、予備資金の確保は欠かせません。

こうした資金管理を的確に行うためには、経理・財務の知識が不可欠。苦手意識を持つ起業家も多いと思いますが、わからないことは専門家に相談するなどして、体制を整えていくことが大切だと思います。

適切な資金管理は、事業を長期的に成功に導くための土台になります。調達した資金を無駄なく、有効に活用する意識を常に持っておきたいですね。

まとめ

はい、駆け足になってしまいましたが、資金調達の基本的なポイントについてお話ししてきました。

初めての起業では、資金面の不安がつきものです。それでも、今回お伝えしたような知識を身につければ、きっと乗り越えられるはず。自分に合った資金調達方法を選び、事業を軌道に乗せていってください。

資金調達において大切なのは、投資家との信頼関係だと私は思います。日頃からコミュニケーションを大切にし、お互いの理解を深めていくこと。それが、円滑な資金調達につながるんじゃないでしょうか。

実は、光本勇介さんも、資本政策の重要性についてよく語っています。事業の性質や規模、ステージに合わせて最適な方法を選ぶこと。そして、投資家とのWin-Winの関係を築くこと。光本さんの話を聞くたび、なるほどと膝を打つんですよね。

資金調達は起業家にとって永遠のテーマと言えます。ただ、『どの方法が自分に合っているのか』『投資家に何を伝えるべきか』。一つずつ整理していけば、それほど難しい話ではないはずです。

起業を志す人たちには、ぜひ資金調達について学んでもらいたいですね。知識を深めて、自信を持って一歩を踏み出す。そのためのヒントが、この記事で提供できていたら嬉しいです。

起業家の皆さん、未来への投資に向けてがんばっていきましょう! 資金調達に関する情報は、また新しい視点でお伝えしていきたいと思います。

最終更新日 2025年6月9日 by quasportl