
人間の暮らしにおいて、電気は欠かすことができないものになっています。
そのエネルギー源として使われているのは石油や石炭、液化天然ガス(LNG)などの化石燃料です。
しかし、化石燃料は地球温暖化の原因となっている二酸化炭素などの温室効果ガスを排出することから、温室効果ガスを出さないクリーンな再生可能エネルギーが注目されています。
日本は化石燃料などの資源が少ないため、エネルギーの自給率が非常に低いという現状もあります。
目次
再生可能エネルギーが注目される
エネルギーの元になる化石燃料は、そのほとんどが海外からの輸入に頼っています。
地球温暖化により気候変動などもあり、日本だけではなく世界的な問題として認識されるようになりました。
そこで二酸化炭素などの温室効果ガスを排出せずに、日本でも生産することができる再生可能エネルギーが注目されるようになったのです。
海外から燃料を輸入することなるエネルギーをまかなえれば、経済的にも大きな効果が期待できます。
再生可能エネルギーには太陽光発電や地熱発電、バイオマス等色々ありますが、その1つに風力発電があります。
風力発電とは
風力発電はその名前の通り、風のエネルギーを電気に変える発電方法になります。
風のエネルギーをブレードという翼で受け止め、増速機によって発電機を回して電気を生み出す仕組みになっています。
エネルギーの元は風なので特別な資源を輸入する必要もありませんし、二酸化炭素を始めとする温室効果ガスを排出することもありません。
日本では少しずつ導入が進んでいますが、ヨーロッパに比べるとまだまだ低い水準にとどまっています。
ヨーロッパを中心に世界を見てみると、洋上風力発電は急速に拡大しているといえるでしょう。
特にイギリスやドイツ、デンマーク、オランダといったヨーロッパの国々では盛んに推進されており、発電コストも以前に比べると大幅に下がっています。
コストが下がったことで安く発電できるエネルギーとしてますます導入が進むという好循環があります。
ヨーロッパの国々は環境問題に関心が高く、対策に積極的に取り組む姿勢を見せています。
そのため今後も普及がすすむことが予想されます。
【参考】Influx 星野敦
日本では風力発電の導入はあまり進んでいない
それに対して日本では、風力発電の導入はあまり進んでいないのが現状になります。
それは発電が可能な地域が非常に限定されるという問題があるからです。
洋上で行う場合には、遠浅で十分な風が吹く海域が必要になります。
日本の周辺には遠浅の海がもともと少ないのです。
それに陸上の場合には騒音が発生するので、人が住んでいる地域の近くには建設するのが難しいという問題もあります。
また、季節によっては台風に見舞われることもあるので、破損してしまうリスクも存在します。
風が沢山吹かない場所だと発電できるほどのエネルギーにはなりませんし、台風のように強すぎる風が吹く場合も故障のリスクがあります。
気候変動の影響もあり台風のルートや強さも以前とは変わってきているので、今まであまり台風が通らなかった地域でも油断はできなくなっています。
強い風を受けて破損し修理やメンテナンスのコストがかさめば、割高なエネルギーとなってしまいます。
山岳地帯だと乱気流が発生しやすいエリアも・・・
それに日本では地形的な問題で、山岳地帯だと乱気流が発生しやすいエリアもあります。
乱気流によって翼が折れてしまうことも考えられるので、そういった地域は発電には適していません。
海外に比べると発電に最適なエリアが少ないという問題があるので、普及が拡大しないといえrます。
ただし、風力発電には夜間でも風さえ吹いていれば発電できるというメリットもあり、発電量を確保しやすいです。
再生可能エネルギーとして最も代表的な太陽光発電
再生可能エネルギーとして最も代表的なものには、太陽光発電が挙げられます。
太陽光パネルを自宅の屋根に設置しているご家庭なども多くあります。
太陽の光をエネルギーにし、それによって発電を行います。
クリーンなエネルギーですし、小さな建物などでも導入しやすいというメリットがあります。
でも、太陽光発電の場合には太陽が出ていない夜間には発電することができません。
天気が悪く曇りの日などにも発電量は大きく下がってしまいます。
それに対して風力は、夜間でも発電することができます。
風が年中吹く地域に設置すれば、電気を沢山生み出すことができます。
風力発電の課題を挙げると、騒音の問題もあります。
風車から出る騒音には特定の周波数があり、高周波成分や低周波振動を伴います。
それが人体に悪影響を及ぼすリスクがあり、実際に風車の近くに住んでいたら体調が悪くなったと訴える人もいます。
その他にも落雷による事故が発生しやすいという課題もあります。
まとめ
発電機の支柱は高さがあり、大抵は標高の高い場所に設置されています。
そのため落雷事故が発生し、発電機が故障してしまうことも多いです。
このような課題にしていては、対策も徐々に進んできています。
技術が進化することで、現在存在しているリスクを大きく下げることは可能です。
また、発電コストに関しては民間企業だけでは限界があるので、政府の補助なども必要になるでしょう。
最終更新日 2025年6月9日 by quasportl