少子高齢化が介護に与える問題を畑氏に聞く

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需要と供給が釣り合わない介護の現実

少子高齢化が進んだ日本で問題となっているのが介護です。

介護難民といって、介護が必要なのにも関わらず適切な介護を受けられない人々が増えています。

2025年には5人に1人が高齢者に分類される超高齢化社会になると予想されており、問題は解決するどころか深刻化するとされます。

政府は少子高齢化を受けて地域包括ケアシステムの導入を行っています。

これは介護の他にも住居や医療、生活支援などのサービスを地域全体で提供し、要介護認定をもらった高齢者でも長年親しんだ場所で生活を維持できるように作られたものです。

しかし1947年~1949年の第一次ベビーブームで生まれた世代が次々と高齢者となり要介護者が増えた現在では、サービスが行き届かず難民となってしまっています。

特別養護老人ホームの受け入れ基準を引き上げても、全国で30万人以上が入居待ちの状態です。

有料老人ホームは毎月20万円以上かかりますが、特別養護老人ホームは10万円ほどと負担が小さいとされます。

入居一時金も不要で、経済的に豊かではない層が待機列を作ります。

少子化によって働き手が減った日本では、あらゆる分野で人材不足が叫ばれています。

 

介護難民が増えるわけ

介護の分野においては高齢者が増えてニーズは高まる一方で、職員は190万人ほどしかいません。

2025年には250万人は必要と計算されているので、職員が不足すればするほど介護難民は増えます。

介護職は給料が低い傾向にあり、ニーズが高まっても供給が追いつかないのも原因です。

平均月収は21万円ですが、手取りにすると10万円前後となり仕事内容に対して賃金が見合っていません。

特に東京都には高齢者世帯が多く、13万人もの介護難民の発生が見込まれています。

東京に集中しているのは、高度経済成長に就職で多くの人々が移住してきたためです。

経済の中心地である東京にたくさんの介護施設を建設するのは難しく、今までは周辺の県に用意していました。

しかしそれも限界があり、当時の働き手であった人々が安心できる施設を探しています。

地方にはまだ受け入れる施設がありますが、東京に住み慣れた高齢者が地方に戻るケースは多くありません。

東京で生涯を終えようと考えるので、施設の空きを待っています。

 

老老介護の不安と現実

さらに少子高齢化社会では、老老介護や認認介護の問題もあります。

老老介護とは高齢者を高齢者が世話をすることで、配偶者によるものや高齢の子どもがさらに年をとった親の面倒を見るものまで様々です。

自宅で介護する世帯の半分以上がこれに分類されています。

老化の程度や病気の症状にもよりますが、高齢者ができることは限られています。

少し体を動かしただけでも息切れをするのは珍しくなく、筋肉量も低下しているので力仕事に向いていません。

介護だからと無理をすれば、自分まで倒れてしまいます。

肉体的なストレスが精神的なストレスに発展すれば、虐待してしまうなど最悪のケースを引き起こします。

第三者のサポートを受けられず社会的に孤立するのも問題を深刻化させます。

この原因は核家族化が進んだことと深い関係があり、子どもがいても助けを求められない高齢者が多いです。

自立して家を出た子どもに迷惑をかけることができず、金銭的な余裕がなくて老人ホームに入れることもできません。

子どもがたくさんいた時代では、遠方に住んでいる子どもには助けを求められなくても近くにいる子どもに面倒を見てもらうことができました。

医療技術の発達により寿命は延びましたが、健康寿命を考慮すれば平均して10年間は要介護者として生活します。

その期間を誰の手も借りずに過ごすのは困難で、共倒れする恐れがあります。

 

畑恵氏が考える認認介護の不安と現実

その中でも認知症を発症している人が同じく認知症患者の世話をするのが、認認介護です。

認知症患者は介護を受けなければならない病気で、要介護認定された高齢者の多くに見られます。

老人ホームに入居させられないため仕方なく世話をしているケースだけでなく、介護する側が認知症になっていることに気づかないケースもあります。

どちらにせよ認知症を患っていて、平穏な日常生活を送るのは難しいです。

記憶障害によって食事を食べさせたか、排泄をさせたのかなどを忘れてしまいます。

症状の1つの食欲の低下があることから、食事をとらずに低栄養の状態で介護することも考えられます。

脳が萎縮して感情のコントロールが効かなくなれば、虐待に発展したりうつなどの精神疾患にかかったりします。

介護される側も認知症なので扱いがとても大変です。

体力や精神に余裕がある若者でも苦労するため、高齢者はさらに追い詰められます。

快適なシニアライフを満喫するのに、少子高齢化は大きな障壁となります。

政府が様々な政策を通して改善に努めていますが不完全で、将来的にはさらに困難を極めるのは明らかです。

子どもを増やしつつ自分が高齢者になった時に老人ホームに入れるように費用を貯めることが求められています。

畑恵(NHK・フリーアナウンサー) : 芸能界から国会議員に転身した有名人まとめ – NAVER まとめ

最終更新日 2025年6月9日 by quasportl